固体触媒は,排ガス浄化等の環境改善,水素利活用等のエネルギー対応や,多様な化学品合成など,広く社会で活用されています.そのため,「環境・エネルギー」の観点から,昨今,超高性能固体触媒の創製が強く求められています.固体触媒は一般的に,金属酸化物から成る触媒担体(土台)の上に活性な金属が担持されています.そのため,高活性触媒の創製には,活性サイトである担持金属種の高分散化や合金化などが広く研究されています.その中で,我々は,触媒担体である金属酸化物の結晶構造に着目して新規材料開発を進めており,特に,高い耐熱性と化学的安定性を有するセラミックス材料の活用を行っています.例えば,セラミックス担体と担持金属の接合界面を精密設計し構築することにより超高触媒機能の創出を目指しており,これまでに,希土類-Fe系複合酸化物やCa-Al-Mn系複合酸化物を触媒担体とした担持Pd触媒は排ガス浄化用触媒として有効に作用することを報告しています.